こんにちは。家中まるごと浄水器の小野志郎です。
今、逆浸透膜浄水器が注目されています。
テレビ東京の「ガイヤの夜明け」でも「放射性物質」を除去したと紹介されていましたね。
弊社も過去、逆浸透膜浄水器を作っていましたので、その性能は理解できます。
今でもメンテナンスはしていますので、作ろうと思えばできますが、頼まれても作らないです。
逆浸透膜とは、水の分子に近い穴しか開いていない目の細かいフィルターに、ポンプを使い高い圧力で水を押しつけて水のみを通過させて有害物質を除去する仕組み。
電気を使い、1リットルの水を作るのに5リットルの水が必要で、残りの4リットルは捨て水になります。
家庭用の逆浸透膜浄水器は1分間に100ccしか浄水にできませんので、一旦タンクに溜めて使います。1度に使えるのは約8リットルです。
大型の装置で、場所をとり、上記のようにデメリットが大きいため、日本ではほとんど普及していませんでしたが、今回の放射性物質が水道水から検出された問題で、俄然注目を集め、売れに売れています。
取引のある「逆浸透膜浄水器」販売会社と情報交換しましたが、とにかくパニック状態。
忙しくてしょうがないとのことでした。
しかし、この騒ぎを冷静に見ている「逆浸透膜浄水器」販売会社も。
逆浸透膜の心臓部である「メンブレン(逆浸透膜)」を製造しているメーカーは理論上には除去するかもしれないが、連続試験を行っていない以上、過度な期待はしないで欲しいとはっきり言ってるとのこと。
弊社にも何度も「なぜ浄水器の試験をしないのか?」との問い合わせがありますが浄水器は、除去率が下がるまで連続的に水を流して検査する必要があり、ある一定の濃度の放射性物質の入った水道水を大量に用意することは困難です。
そもそも連続試験の試験方法も確立されていません。
1度きりの検査で除去率99%といっても、明日には0%になっているかもしれません。
誰も連続試験をしていない訳ですから、放射性物質が、浄水器に与える影響は分からないはずです。
「被災地に出向いて試験したらどうか」との提案を受けることもありますが、1度だけ検査をしてそのデータを宣伝に使うことは、便乗商法ではないかとの指摘もあるのです。
私自身は、水道水の放射性物質は、国や、地方自治体が命がけで除去すべきと思っています。
放射性ヨウ素に効果のある活性炭の大量投与はすでに行われていますが、放射性セシウムを除去するイオン交換法や放射性物質全般を除去できる可能性のある膜処理技術を水道局が導入し、都度検査した安全な水を供給すべきです。
家庭の浄水器は寿命がいつくるか分かりませんが、水道局なら、都度検査して供給することができます。
国民の健康を絶対に守るという気概が私達に伝わってこないので、自衛するのも理解できるのですが、もし、今後、水道水から基準値を超える放射性物質が検出された場合、一般家庭で、逆浸透膜浄水器を使って飲み水から「放射性物質」を除去したとしても、お風呂やシャワーから、「放射性物質」はその何倍も体内に入ってきます。
ですから、水道局で供給する水道水そのものから放射性物質を除去する以外には私達の健康は守られないのです。
浄水器の仕事は、あくまでも、浄水場で加えられた「塩素」や塩素が形を変えた発がん物質「トリハロメタン」、水道局から家に届くまでに拾った「汚れ」や「鉛」などを除去することです。
浄水器が、浄水器本来の仕事をするような状態になることを願ってやみません。
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