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硝酸態窒素は除去できますか?

最近多くなってきた質問です。
察するに、Youtuberやインフルエンサーが硝酸態窒素が危険であるかのごとく話をされているのだと思います。

結論を先に申しますと弊社の浄水器は硝酸態窒素を除去しません。試験(検査)も行っていません。

硝酸態窒素は通常摂取する程度では有害物質とは言えず除去する必要がないからです。

ちなみに大手メーカー品をはじめ、一般的な浄水器も全く硝酸態窒素を除去できませんし、JISの指定する浄水器の検査項目にもありません。

硝酸態窒素(硝酸性窒素/硝酸塩)とは

硝酸態窒素とは、窒素が化学反応により酸化したものです。
そもそも窒素は空気中の約80%を占める成分で、環境の中でさまざまに循環しています。

硝酸態窒素は土や水の中に含まれており、植物の栄養源になる一方で、水質汚染の原因や野菜への残留濃度が問題視されてはいますが・・・

しかし「FAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)は、硝酸態窒素(硝酸塩)の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないという見解を発表しています。・・・wikipedia 硝酸塩より」

ちなみに硝酸態窒素は従来は硝酸性窒素と呼ばれていましたが最近では、硝酸態窒素と呼ぶようになっています。

硝酸態窒素は食品添加物としては「硝酸塩」と呼ばれていますし水に溶けると「硝酸イオン」になりますが、すべて同義語と捉えていただくと理解が早まります。

硝酸態窒素(硝酸塩)の健康への影響について

硝酸態窒素(硝酸塩)の危険性については、書籍の


硝酸塩は本当に危険か - 崩れた有害仮説と真実 (自然と科学技術シリーズ)

が、参考になります。一部引用すると

「乳児メトヘモグロビン血症は、硝酸塩含有量が高いことが原因なのではなく、微生物汚染が原因である。発ガン性のN-ニトロソアミンの生成により、理論として硝酸塩摂取とガンは関係付けられているが、疫学的調査によれば関連性は確認できず、むしろ抗ガン性の可能性を示している。WHO、米国、EUによる飲料水と食品中の硝酸塩の規制法は、科学によって支持されず、再吟味されるべきである」。
結局のところ、硝酸塩の問題は、硝酸塩のリスクを過大評価し、誤った危険性が世界的規模で広まってしまった例と思われる。

また、農林水産省のホームページでも硝酸態窒素(硝酸塩)の健康への影響について記述があります。

硝酸塩の健康への影響について

  • 硝酸塩は、通常摂取する程度では、それ自体は特に人体に有害なものではありません。しかし、ヒトの体内で還元され亜硝酸塩に変化すると、メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあるということが一部で指摘されています。
  • しかし、生体内における硝酸塩から亜硝酸塩への転換のメカニズムは複雑です。食物に含まれる硝酸塩が転換されるばかりでなく、生体内の他の窒素含有化合物(アンモニア、ヒドロキシアミンなど)が酸化されて硝酸、亜硝酸塩が生成されることなどから、食物由来の硝酸塩のうちどのくらいの量が亜硝酸塩に転換するのかは、はっきりとしていません。
  • また、硝酸塩の摂取と発がんについての研究も各国で実施されているところですが、FAO/WHO合同食品添加物専門家会合(JECFA)※1は、硝酸塩の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないと言っています。

※1 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で運営しています。添加物、汚染物質について科学的データに基づくリスク評価を行っています。

農林水産省「食品中の硝酸塩に関する基礎情報」より

 

つまり、硝酸態窒素(硝酸塩)を通常摂取する程度では、危険性はなく健康への影響はないと考えられます。

硝酸態窒素(硝酸塩)の発がん性と野菜の関係

生体内でのニトロソ化合物の生成と胃がんとの関係
生体内で、硝酸塩から発ガン物質であるニトロソ化合物の生成の可能性があることから、胃がんと硝酸塩(または亜硝酸塩)の摂取の関係についていろいろな研究がされています。
胃がんと硝酸塩の関係については、関係があるとする研究もありますし、関係が認められないとする研究もあります。大部分の研究は結論が出ていませんし、むしろ硝酸塩の摂取量が増えると、胃がんの発生率が低くなるという逆の相関を示す研究結果もあります。

一般的に、がんについての疫学研究は、胃がんの原因要素がさまざまにあることや、発病する場合でも、摂取してから、発病するまで時間がかかることから、結果が得にくいようです。

野菜は硝酸塩の主要な摂取源ではありますが、ビタミンCなどの保護因子も含むため、野菜を大量に摂った場合には、それに含まれる硝酸塩と同じ量の硝酸塩を添加物等として摂取した場合に比べて、胃がんのリスクは低くなると思われます。

農林水産省「食品中の硝酸塩に関する基礎情報」より

野菜を多く摂取することは、発がん性を低下させるは周知の事実ですし、多くの研究で証明されています。

多くの野菜を摂取すれば、当然、多くの硝酸態窒素(硝酸塩)も摂取することになります。

自然農法や有機農法では、硝酸態窒素の量は減りますがゼロにはなりません。
約3分の1になるという農家さんの記述もありました。
グリーンファームかずさのHPより

植物の根に吸収された硝酸態窒素は茎葉などの地上部へ転流され、光合成でできた糖類などの炭水化物と反応して、タンパク質など植物を構成する生体成分を合成します。

そのために植物の茎葉に硝酸態窒素が集積するのはごく普通の現象なのです。

特に葉菜類などが硝酸態窒素を多く含んでいます。

2002~2004 年度に独立行政法人農林水産消費技術セ ンターが市販の国産野菜に含まれる硝酸態窒素濃度を調査した結果を下記にまとめました。

表1:市販の国産野菜の硝酸態窒素濃度(2002〜2004年度調べ)

野菜品目 調査サンプル数 硝酸イオン(NO3−)濃度(mg/kg)
平均値 中央値 最大値
キャベツ 189 679 641 3,150
白菜 186 1,320 1,210 4,850
結球レタス 174 1,060 965 2,780
小松菜 197 4,060 4,070 9,490
ほうれん草 208 3,070 2,990 9,220
チンゲンサイ 20 2,750 2,690 4,440
野沢菜 20 2,840 2,840 3,890
カブ(値) 20 1,630 1,750 3,210
カブ(葉) 20 3,540 4,040 6,060
春菊 20 2,940 2,830 5,380
ニラ 20 1,780 1,860 2,700
高菜 20 3,580 3,670 6,650
タアサイ 20 3,340 3,910 4.380

硝酸態窒素は植物の生長に必要不可欠な窒素供給源ですので野菜に限らず、すべての植物に含まれています。

ほうれん草、小松菜は比較的硝酸態窒素濃度が高いことが分かりますが体内で分解され排出されますので問題はありません。

水道水と硝酸態窒素

硝酸態窒素の水道水の基準値は10ppmですが、実際に入っているのは1ppm~2ppmです。

1ppmがどれくらいかと言うと、例えば、上記表の野菜の1キロ当たりに含まれる平均値は約2,500ppmなので
野菜サラダ200グラム食べるとすると、約500ppmの硝酸態窒素が体内に入ってくることになります。
(表1:市販の国産野菜の硝酸態窒素濃度を参照ください。)

なので、水道水に含まれる硝酸態窒素は無視していいレベルです。 

ちなみにppmは100万分の1の単位で mg/Lと同じ意味です。

野菜などはmg/kgを使いますが 1L=1Kgですので同じ意味になります。 

すなわち2,500ppmは2,500mg/Lになります。 

飲み水と異なり、日本では食べ物には硝酸態窒素の規制はありません。 

EUでは規制がありますが、3,500g/kg(ppm)前後です。

ほうれんそうや小松菜は表1のように9,500mg/kg(ppm)程度含まれる場合があります。 

硝酸態窒素は、体内で分解され排出されますので通常摂取する量で問題ないのですが、ネットでは、硝酸態窒素は亜硝酸態窒素に速やかに変化して危険と言う記述も見られます。

ならば、ほうれん草や小松菜はとても危険ってことになります。
私はほうれん草や小松菜を食べて過去健康被害が起きた話は聞いたことがありません。

硝酸態窒素は亜硝酸態窒素に変化するのには特殊な条件が重ならないとならないからです。

 

硝酸態窒素を除去する方法

ちなみに硝酸態窒素を水道水から除去するには下記3つの方法があります。 

1.蒸留する 

2.イオン交換によって硝酸態窒素の他すべての陽イオン、陰イオンを他の物質に換える。 

3.RO(逆浸透膜)によってすべてのミネラルを物理的に除去(分離する)

ただ、蒸留するには大量のエネルギーが必要ですしRO浄水器もポンプに電気を使います。

また、イオン交換はイオン交換樹脂の寿命が極端に短いためはコストがすごくかかります。

さらにどの方法も身体に必要なミネラルまで失われるため水の味が悪くなるばかりか、体内で骨などからミネラルを奪って尿から出るため、健康にも問題があると指摘する人もいます。

研究用としては良いのですが、日々の飲み水としてはどれも好ましくはありませんし、そもそも硝酸態窒素を除去する必要はありません。

活性炭を使った一般的な浄水器では、硝酸態窒素を除去することはできません。

SNSで「一般の浄水機器を簡易パックテストで試験したら硝酸態窒素を除去できた」という書き込み
がみられましたが、簡易パックテストにはエビデンスはありませんので注意が必要です。

 

硝酸態窒素の危険性を誇張する人々

水に関しては、多くのペットボトル水に硝酸態窒素が検出されたが、1銘柄だけ検出されなかったという書き込みが有名ですね。


検査で唯一硝酸態窒素が検出されなかった銘柄「クリスタ○○○○ー」しか飲みませんという方もいますが、野菜サラダを食べると1回で、2,000ppmの硝酸態窒素が体内にる訳ですから意味はありません。

ペットボトルも硝酸態窒素ゼロをウリにしたり、ウォーターサーバーの会社も盛んに硝酸態窒素の危険性を広めています。

RO浄水器も硝酸態窒素を90%程度除去できますので、RO浄水器を扱う会社の一部が硝酸態窒素が危険と言っています。

つまり硝酸態窒素の害を誇張し、不安をあおって、商売に利用している訳です。

硝酸態窒素はJISの浄水器の検査項目にも指定されていません。 なので、弊社では、今後も硝酸態窒素を除去する浄水器の製造は予定がありません。 

水道水の問題は、一番は残留塩素であり、鉛やアルミニウムなどの有害物質です。

商品を売るために何でもする人々に煽られないように水の正しい知識を勉強して正しい判断を行って欲しいと思います。

 

 

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